第35話・玉ちゃん、捕まる

[前回までのあらすじ]
 海ちゃんの友達と別れ、ドライブする事になった3人。
 海ちゃんは軽い気持ちで玉ちゃんの乗る「ミニカ」に乗っていのだが…

第35話 玉ちゃん、捕まる

「じゃ、さっそく乗り心地を試させてもらうよ」
 そういって海ちゃんは助手席に乗り、イメージを膨らませていた。
「所でラビちゃん。どこに行くんだい?」
「そうだなぁ、とりあえず適当に走ってみるか」
「うん、いいよー」
 と玉ちゃんも返事し、行くあてもなく動き出した。
 3人はどこいこう、と話し合いながらも、車はノンストップで走り続けていた。
 そして大通を走っていたときである。
「ねぇねぇ、ここは出るんだよ」
 急にラビが得意でもないに超常現象の話を持ちかけてきた。
「何をアホな事を言ってんだよ」
 と海ちゃんが言った時、ふと窓の外を見てみると…
 なにやら人影が何人も映っているではないか!
「おいラビ!あれを見てみろよ!お前が言う「出る」って奴はあれじゃないか?」
 と指を指した方向へ玉ちゃんとラビが見た。
「あっはっは、何じゃありゃ」
 とラビが笑いはじめた。
 そうなのである。人影は確かに人影なのだが、ただ単に壁に書かれた人影の絵が何人も描いてあるだけだった。
 そんなこんなでも車は走り続けていた。
「ここが札幌と小樽を結ぶ道だよー」
 と玉ちゃんがふいに話し掛けてきた。
「え?何々?今から小樽へ行く気?」
 時計を見たらすでに深夜11時過ぎにになっていた。
 うむも言わさず車は小樽へと向かって行ったのだった…
 しばらくして、
「そういえばラビさ、ヨドバシカメラの内定式がそろそろあるんじゃないの?」
「ああ、実はこの前、その件でヨドバシから電話があってさ。出席するかどうかだったんだけど、その場で俺は内定を辞退したんだよ」
「マジで!すでに内定承諾書を出した後だから怒られただろ?」
「いやいや、これからもお客様としてお待ちしておりますだってさ。全然大丈夫だった」
 さすがはヨドバシ。それほどまでに内定者辞退が多いんだなと海ちゃんは感じた。
「でもどうすんだよ?これからまた1からだな」
「いや、すでにもう1つ内定を貰っているのさ」
「は?マジで?どこよ?」
「読売新聞の販売所みたいな所だよ。ほら、前に面接の時に思いっきり朝日新聞を読んでますって答えてしまった所だよ」(外伝・第23話・3馬鹿+玉、三味線日和・参照)
「ああー!あそこね。よく受かったな」
「まぁねぇ。ただここも全国転勤があるから微妙なのさ」
「おいおい、条件的にはヨドバシとかわんねーじゃないか」
「こっちの方が給料が高いけどね」
「ふ~ん、そっか。ま、頑張れよ」
 そうこういている間に小樽へ到着した一行。
 しかしどこもかしこも閉まってしるので、すぐに札幌へ引き返す事となった。
 帰りは坂道がきつい峠を通って、定山渓方面から帰る事に。
 なかなかスピードが出ない上り坂をなんとか乗り切り、後は平坦な道を突っ走っていくだけだったのだが、快調に飛ばしていた玉ちゃんの車に赤い光りが近づいてきた。
 玉ちゃんがバックミラーで見てみると…
 パ・パトカーだ!!
「前の車、止りなさい」
 とスピーカーで呼ばれてしまった。
 前の車…どうみても我々の車しかない(汗)
 いったいどうなってしまうのだろうか!!

[次回予告]
 なぜかパトカーに止められてしまった一行。
 すでに時刻は深夜1時。
 こんな遅くまでパトロールとはご苦労様です。
 はたして次回はどうなってしまうのか!!

第36話 玉ちゃんVS北海道警察 にご期待ください!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです

原作 海ちゃん
制作協力 みっつ


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